一 水 一 会

水流るる音を聴きながら
珈琲と余白を味わう。

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 傾心録𓂃12人のわたしと、心を傾ける旅
  4. 傾心録𓂃 六人目「1ヶ月くらい休めたら、どんなに楽なんだろう。」

傾心録𓂃 六人目「1ヶ月くらい休めたら、どんなに楽なんだろう。」

「1ヶ月くらい休めたら、どんなに楽なんだろう。」
  
長年の夢が叶い、
「いよいよここからだ」と思っていた、34歳。
 
あのときはまだ、
この何気なくこぼれた一言が、
人生最大の転機のはじまりになるとは思ってもいなかった。  
  
 

34歳のときの転機

あの頃のわたしは、長年の夢だった
「大人がもっと気軽に、自分の生き方を考えられる環境をつくりたい」という想いを形にしようとしていた。
 
仲間と共に立ち上げた、
オンラインスクール『Compasea(コンパシー)』
 
壮大な海のなかでも、
自分の進む方向を見失わないように…
 
そんな願いを込めて、
『人生にも、心のコンパスを。』と命名した。
 
 
これまでお世話になった先輩方を講師に迎え、
「いよいよ夢がはじまる」という高揚感のなかで走り続けていた。
 
 
── ところが、開校から半年ほど経った頃。
 
なぜか頑張れば頑張るほど、心も身体も疲れていく。
 
 
ずっとやりたかったことなのに
 
どうして、こんなに苦しいんだろう…と
 
 
理由がわからないまま
それでも走り続けていた、ある日。
 
友人と何気なく話していると
 
「1ヶ月くらい休めたら、どんなに楽なんだろう。」
前触れもなく、自分の口からこぼれた。
 
 
その瞬間、一番驚いたのは自分だった。
 
慌てて、
「……今の無しで!!!」と言ったくらい。
 
 
すると友人が、静かに言った。
 
「休んだらいいじゃない。」
 
 
 
でも、わたしは
 
「いや、そんなの無理だよ!」と反射的に答えた。
 
 
 
その姿を見て、友人はもう一度こう言った
 
「それって、本当に心のコンパスに従ってるの?」
 
 
その言葉に、何も返せなかった。
 
 
 
 

人生初めて、自分を止めてみた

それから、自分自身とも
色んな人とも対話を重ねるなかで
あることに氣づいた。
 
 
わたしは、ずっと
“価値のある自分”になりたかった。
 
 
成長し続けることに、価値がある。
 
人や世の中の役に立って、初めて価値がある。
 
成果を出せば、価値がある。
 
 
だから、
 
「何もしていない自分」を、
どうしても認めることができなかった。
 
 
 
そもそも本当は、
 
『何もしなくても価値がある』と思いたかった。
 
 
ただ何を思ったのか
それは価値ある自分になった先に在る、と信じていた。
 
 
だから、止まれなかった。
価値ある自分になろうと、ずっと走り続けていた。
 
 
 
そこに氣づけたからこそ、
一番禁止していた『休む』を選ぶ必要があった。
 
 
頭は拒否の声で大きく
心は大きく揺らいでいたけれど
 
直観的に、
『このまま進み続けても、先がない』と思った。

 
 
そして、『1ヶ月の小休止』を決断した。
 
 
仕事を一切入れない。
 
予定も、事前に決めない。
 
その日の感覚に従って、その日の過ごし方を決める。
 
 
そんな“意図しない時間(余白)”を決めた。
 
 
 
何が得られるかなんて、わからなかった。
 
 
けど、理屈よりも、“直観”を信じたかった。
 
その先に出逢える自分や景色を、知りたかった。
 
 
 
 

今のわたしが、あの頃のわたしと対話してみた

あの頃の君は、どんなことを感じていた?
 
 
少し考えて、答えた。
 
 
『なにかをはじめる前に
明確な理由がなくても、はじめていいということかな。』
 
 

 
その1ヶ月は
ただ休んだ時間ではなく
 
自分の存在や感覚を、
もう一度“信じなおす”時間だった。
 
 
この経験があったからこそ、
 
これまでの目標や計画を立てて達成する世界ではない
想像以上の、未来を歩んでいる。
 
 
あの頃描いていた成功像ではないけど
 
他の誰でもない
自分の魂から震えるような、よろこび満ちる
 
自分だけの人生を、歩んでいるよ。
 
 
ありがとう。
 
 

 
 
傾心録𓂃 六人目
 
 
あの頃の感覚に心を傾けてみたら
 
「根拠」や「理由」よりも
『心が動いた方』を選べるようになった自分に
あらためて出逢いなおせた。
 
 
 
そう、そうなんだよ!
 
本当に人生が動きだす瞬間って
その理由を、明確には説明できない。
 
 
だって、はじまりはいつも
 
「なんか、氣になる…」
「なんかなぁ…」
 
そんな違和感や直観のような
誰にも説明できないような
“微かな声”からはじまるから。
 
 
これからも、微かな声を大切にしていこう。


>>>傾心録七人目の物語を読む

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事